· 

【調査】保育士の退職金 〜あなたの退職金がわかる〜

【調査】保育士の退職金

〜 あなたの退職金の計算方法がわかる! 〜

今回は、保育業界に関する退職金の解説です。 

一般的に退職金は、退職や定年のときにもらえるお金です。長く働いたことに対して払われるものです。 


退職金という言葉は誰もが知っていますが、誰もが当たり前にもらえるわけではありません。特に保育業界では、いくつかの特徴(運営法人の種類・勤務年数など)があります。


その確認方法と、保育業界での退職金制度の具体的な背景をお伝えします。 

 

退職金の確認方法 

私って退職金もらえるの?

退職金がもらえるかどうかは、次の方法を調べることができます。 

  • 雇用契約書をみる【簡単!】
  • 保育園の就業規則をみる
  • 先輩や同僚に尋ねる

 

◆雇用契約書をみる


雇用契約書は、入社前に受け取る資料です。雇用契約書のサンプルを下記に掲載します。 オレンジ色の部分が、見るべき項目です。

 

 

保育園での雇用契約書のサンプル。保育士の退職金は、賃金の項目や、退職に関する事項に記載があるため要チェック

 

退職金に関する記載は、雇用契約書の中の「賃金」「退職に関する事項」(※名称は様々です)に記載があるはずです。 

 

こちらに”退職金制度あり”等とあれば、退職金をもらえる保育園です。また、保育園によって「勤続年数 満3年以上」(※株式会社の保育園で多い)等の条件に達することが必要です。 

 

 

 

◆保育園の就業規則をみる

 

雇用契約書が見つからない場合は、就業規則の中に、退職に関するページがあるはずなので、確認してみましょう。

 

就業規則は、保育園の資料棚、職員用のWebサイト等に保管されていることが多いです。なお、就業規則は、職員の誰もが簡単にみられるように法律で定められています。

 

ただし、就業規則がない保育園もあります。その保育園で働く職員の人数が9名以下であれば、法律で義務付けられていないため、就業規則がないこともあります。

 

 

◆先輩や同僚に尋ねる

 

雇用契約書も就業規則もない場合は、直接聞いてみることをお勧めします。ただし、あなたが保育園を辞めると勘違いされないように、聞き方に気をつけましょう。


退職金の背景

退職金ある・なしは、何で決まるの?

保育園(運営法人)が、退職金制度を導入しているかどうかで、決まります。

保育業界の場合、公立・社会福祉法人・学校法人であればほぼ全てで退職金制度があります。一方で、株式会社等では、バラつきがあります。 

なぜなら、退職金の支払いは義務ではないからです。 退職金制度は、保育園の運営法人が任意で導入する制度です。

 

保育園の運営法人の種類によって、退職金制度の導入状況に特徴があり、下記にまとめています。

 

【運営法人別】退職金制度の導入状況
区分 制度の有無 備考
公立保保園      100%あり       

一般的も最も高い

※本人負担なし    

社会福祉法人 ほぼあり

独立行政法人福祉医療機構への加入がほぼ。勤続1年以上で支給。

※本人負担なし(法人100%負担)

学校法人 ほぼあり

私学共済への加入がほぼ。勤続1年以上で支給。

※本人・法人で50%ずつ負担

大手株式会社  導入が増えている 

会社独自に制度を用意。3年以上で支給などの規定あり。

※本人負担や、支給額等は独自の規定による

その他法人 ない場合が多い

ない代わりに、給与に上乗せする場合がある。

※一般企業でも退職金制度がない法人は増えている。

保育士の働き方豆知識。保育士を雇い続けるには、給料の約2倍のお金がかかる。保育園としては、保育士が成長して長く働いてほしい。

◆ 公立保育園

 

公立保育園の保育士は地方公務員であるため、退職金は法律で定められています。 (参考:地方公務員の退職手当制度(PDF)

 

 

◆ 社会福祉法人

退職金共済という独立行政法人 福祉医療機構(WAM)に全国の社会福祉法人の 9 割以上が加入して います。 

◆ 学校法人

私学共済という日本私立学校振興・共済事業団制度があり、加入している場合がほとんどです。 

 


◆ 株式会社や財団法人など

大きな法人ほど退職金制度を導入している場合が多いです。理由は様々ですが、職員の定着率向上のために導入しているものと推察されます。 

一方で、あえて退職金制度を導入せずに、毎月の給与上乗せしているケースもあります。また、個人型確定拠出年金(※定年後に支給される年金のようなもの)の掛け金を一部負担している場合もあるなど、様々です。 

 

◆退職金を受け取るには?

 

退職金を受け取る場合は、それぞれの制度によって異なります。各法人の担当者に問い合わせてみて下さい。

 

特に注意が必要なのは、退職金の振り込み日です。退職日当日ではなく、大体1〜3ヶ月先になることが多いです。退職金を使う場合は、いまの貯金額も踏まえて、計画的に考えておきましょう。また、退職金にも所得税などがかかるので、「退職金の額面×0.7」くらいが手元に残ると思っておくといいと思います。


退職金の計算方法

退職金はどれくらい、もらえるの?

公立保育園と、社会福祉法人に関しては、退職金の計算方法が Web 上に公開されています。その他の制度・法人でも、一定のルールをもって退職金が計算されます。

 

退職金の計算式は簡単に表すと、次のとおりです。

 

公立と社会福祉法人の保育園の退職金は、直前の月給に勤続年数を掛けて、その他加算を加えると算出できる

退職金を大きく決めるのは、「直前の月給」「勤務年数」です。退職金は、長く働いた人に対する慰労の意味があるため、この2つが大きな要因であるといえます。


とはいえ、この計算式をみてもいまいち金額は見えてこないかと思います。

今回は、保育園の中でも特に多い「公立保育園」「社会福祉法人」での退職金を算出しました。

◆グラフ:勤務年数別の退職金推計額(運営法人別)

より実態に近い推計になるように、地方公務員の経験年数別の平均給与(総務省)、社会福祉法人は保育士の年齢別月給(厚生労働省)を参考にしています。

公立保育園と、社会福祉法人が運営する保育園での退職金のシュミレーション。

上記グラフをみると、公立保育園では勤続 10 年目に大きく退職金が上がっています。 

 

 

 

その違いを次の図で説明します。

 

地方公務員の保育士は昇給が続き、調整額もある。社会福祉法人も昇給はあるが、大きくない。特別加算は大きい。

 

ポイントは2つです。

  • 直前の月給、つまり昇給の程度
  • その他の加算分

 

◆直前の月給

 

公立保育園の地方公務員は、昇給が続きます。もちろん社会福祉法人も昇給はありますが、地方公務員ほどではありません。今回の計算では、10年目の地方公務員は月給約30万(総務省データ)で、社会福祉法人は約23万(厚生省データ)です。

 

 

◆その他の加算分

 

地方公務員では、10年目以降から「調整額」という加算が加わります。社会福祉法人では11年目に、「特別加算」が上乗せされます。

 

社会福祉法人の10年目から11年目の1年で50万ほど大きく上がっていますが、5年目から10年目の5年間でも50万です。これが特別加算の影響といえます。

 

これら結果だけをみると、「公立保育園の保育士にならないと損する!」と思う方もいるかもしれません。

 

もちろんお金だけをみればそうですが、私たちこのゆび保育では、「就職・転職先を、お金だけ選ぶべきではない」と考えています。職場を選ぶ観点は、たくさんあるので、お金も含め様々な角度から見てみて下さいね。  

保育士として長く働き続けるために

就職・転職のときに、退職金はどうやって確認する?

これまでの通り公立保育園と社会福祉法人では、ほぼすべての法人で退職金制度があります。 また、退職金の金額も、明確に定められているので、特に確認する必要はありません。 

しかし、株式会社では、会社により異なるため確認が必要です。

 

就職・転職の際に、退職金を確認するためには次の方法があります。 

 

  • 求人票を確認
  • 雇用条件を確認 【確実かつ正確!】

 

◆求人票をみる

 

求人票の確認は、ハローワークで保育園を探すときに特に有効です。ハローワークの求人票には、退職金に関することを書かなければいけないためです。また、正確な記載をしなければ罰則があるため、事実に基づいています。求人サイト上の求人票は、それぞれの様式や定義であるため、直接問い合わせることが必要です。

 

 

◆雇用条件を確認する

 

この方法がもっとも確実で正確です。転職を希望する園の採用担当者に、さりげなく「雇用条件を確認させて下さい」と伝えれば、一覧で確認することができると思います。一方で、聞きにくい場合は、紹介会社の人材コンサルタント等を活用をすることもできます。

このゆび保育では、退職金も含めて詳細な求人情報を揃えています。もしご興味のある方は、無料相談にお越しください。 


保育記事作成:このゆび保育 編集委員