保育士の住宅手当・家賃補助とは~制度の種類や申し込み上の注意点について解説

保育士の住宅手当・家賃補助とは~制度の種類や申し込み上の注意点について解説

保育士は家賃補助や住宅手当の制度が充実しています。

 

「保育士は給料が高くない」「仕事内容は大変」保育士の仕事について近年マイナスな言葉もよく聞くようになりました。 給与は生活面はもちろん、仕事のモチベーションにも関わる大切なものです。就職・転職活動の際にも給与額が参考材料として上位にあがるのではないでしょうか。そこで、家賃補助や住宅手当に関する制度の詳細とポイント、注意点などを解説します。

 

保育士は家賃補助・住宅手当の制度が充実

保育士宿舎借り上げ支援事業は保育業界では借り上げ社宅制度として知られていたり、既に利用されている方も多いのではないでしょうか。概ね82,000円(※異自治体により異なる)の住居手当を国・自治体・法人で負担し、保育士の働く環境を整えるための取り組みとなります。

給与が高くないと言われ、処遇の厳しさから保育士資格を持っていても保育園での仕事から離れてしまう人も多いと言われていますが、制度を上手く使うことで給与の手取り額も変わってきます。

 

保育士の家賃補助・住宅手当の種類と特徴

◆保育士宿舎借り上げ支援事業
(通称:借り上げ社宅制度)

 

いわゆる「借り上げ社宅制度」のことで、保育士資格を持つ正規職員が、厚生労働省管轄の認可保育園に勤めている場合に利用できる制度です。

 

民間のアパート・マンションなどを法人名義で借りて、職員に貸し出します。建物一棟をまるごと借り上げる場合もあれば、部分的に借りるケースもあります。賃料の負担が少なく済むことが特徴です。

この制度は国(厚生労働省)が、「保育士の就業継続を支援し、働きやすい環境を整備する」という目的で設計したものです。

保育園を運営する法人等が、借り上げ社宅制度のために必要な費用の一部を支援します。

また、近年都市部での保育園の急増が目立っていますが、都市部は家賃が高くて保育士が集まらないという実態があり、本制度が導入されたとも言われています。

 

 

◆家賃補助(住宅手当)

 

借り上げ社宅制度とは異なります。また保育園を運営する法人以外においても広く導入されている補助です。

 

保育業界では借り上げ社宅制度を利用していない法人で主に導入されています。

(認可外保育施設・企業主導型保育園・幼稚園など)

また、借り上げ社宅制度の条件対象外の職員に支給しているケースもあります。

(園長など役職者、同居人がいる、持ち家など)


職員の住宅ローンや家賃など住居にかかる費用の一部を会社側が負担するという福利厚生制度のことです。

 

金額やルールなどは法人によって様々です。一般的には、就業規則などに定められ、家賃の一部補助として支払われることが一般的です。また、入職時の

労働条件通知書」「雇用契約書」などにも記載されることがあります。給与明細では「住宅手当」「住宅補助」などの項目名として明記されることがほとんどです。

◆社員寮

 

保育系の法人ではほぼ導入されていない制度ですが、地方の法人では導入しているケースもあります。

法人が福利厚生の一環として職員のために用意した住居で、近隣の賃貸住宅より安い賃料で借りられることが特徴です。単身者向けとしている所も多いようです。

 

地域別の保育士宿舎借り上げ支援事業


では、前項で紹介した「保育士宿舎借り上げ支援事業(通称:借り上げ社宅制度)」について内容を具体的に解説します。

 

この支援事業は、国や自治体から保育園を運営する法人等に向けた支援となります。家賃を支払いするのは法人であるため、法人に直接補助がされます。

 

補助基準額は月額82,000円を上限として、市区町村別に一人当たりの月額(上限)が設定されていて、補助の割合は「国:1/2、市区町村:1/4、事業者:1/4」となっています。

自治体別に一人当たりの上限額(月)が設定されているので、上限満額で設定されている自治体、上限7万円台(月)や5万円台(月)に設定されている自治体もあります。

地域の実勢に合わせ、住宅・土地統計調査に基づき金額を設定しているため、自治体により上限額に違いがあります。

 

エリア 上限金額 備考
【東京23区】
品川区 上限82,000円/月 原則区内居住に限る(区内に住居があり区内の園に勤務) 
千代田区 上限130,000円/月 区外居住可能
※区外居住の場合は上限82,000円/月
江東区 上限71,750円/月 原則区内居住
【東京都市町村】 ※実施していない市町村もあり
 八王子市 

上限82,000円/月 

原則市内居住 

 福生市 

 

上限58,000円/月  

原則市内居住
【神奈川県】   

川崎市

上限82,000円/月 市外居住可能  

横浜市 

上限82,000円/月  

原則市内居住
【千葉県】

千葉市 

上限63,000円/月

原則市内居住

【埼玉県】

さいたま市

 

上限72,000円/月

原則市内居住

 

 

このように、自治体によって上限額の設定に違いがあります。なお、千代田区のように、国の基準82,000円を超える場合は自治体が補助額を上乗せしています。

 

また、保育士宿舎借り上げ支援事業を実施している自治体にある園でも、法人等単独で補助内容や基準を決めている場合もあったり、取り入れていない所もあるようです。保育士求人を探す際は「宿舎借り上げ制度の有無」と、どういう形(基準や規定)で制度を使うことができるのかを確認することをおすすめします。


なので、保育士宿舎借り上げを希望する場合は下記の①②をしっかり確認しましょう。

①自治体の基準を確認
②働きたい事業所の基準を確認

 

また、 引っ越し時に必要な初期費用に関しても、法人等によって支援内容に違いがあります。中には引っ越し費用も対象になる場合もあるのであわせて確認しておくとより安心ですね。

 

 

どちらもしっかり把握し、納得した上で入職できることが最良です。なお、このゆび保育では、①②の両方を確認した上で、保育求人をご提案しています。ご希望の方は下記のLINE@よりメッセージをお願い致します。

※参考
令和2年度保育関係予算概算要求の概要
令和3年度保育関係予算概算要求の概要
(厚生労働省が作成した借上げ社宅制度に関するPDF資料が開きます)

 

同棲や結婚していても制度を使うことができる?


使うことができる自治体もあります。というのも、パートナーが居る場合の基準は各自治体が決めています。婚姻関係は認められるが同棲の場合は半額支給になるなど制限を設けている所、単身者のみ支給としている所もあります。

 

共通する条件は、パートナーが住宅手当をもらっていないことです。つまり、保育士宿舎借り上げ支援事業の制度とパートナーが勤務する会社等の住宅手当を同時に使うことはできません。

 

他に主な条件として、

 

  • 制度を利用する保育士が世帯主であること
  • パートナーより収入が多いこと(証明する書類の提出が必要な自治体も有り)

などが挙げられます。必ずしも制度を使えるというわけではありませんが、条件次第で可能な自治体も多いです。

 

東京都23区内での自治体例をいくつかご紹介します。

 

【新宿区】
婚姻関係:本人が世帯主であること・婚外同居:半額支給

 

【台東区】
婚姻関係:本人が世帯主であれば満額支給。配偶者が世帯主の場合は世帯主の収入が50%以下であること(証明書類の提出が必要)・婚外同居:半額支給

 

【渋谷区】
同居不可(単身者のみ)

 

婚姻や同棲に限らず、家族との同居であっても可能な場合もあります。

 

住宅手当や家賃補助が充実している園の求人の見分け方


求人を探すにあたって、「家賃補助の制度が充実している園を選びたい!」と思う方は多いと思います。

 

ではその求人をどうやって探したり見分けられるか?もポイントとなってきます。

 

まず自分で出来る選び方として、充実した支援が受けられる自治体(勤務地)から選ぶことです。内容が充実している自治体に目星をつけてそこから園をいくつかピックアップしていくと良いでしょう。

 

仲介会社やサイトを利用して求人を探す場合は、宿舎借り上げ制度を利用したいことを登録時または担当者へ事前に伝えておくとスムーズに探しやすいです。

 

また、求人票を見る時には家賃補助について金額や補助内容が詳しく記載されているかをご自身でも確認し、質問や疑問があるときは担当者へしっかり聞いておくことも大切です。



「保育士宿舎借り上げ支援事業」は本来、令和2年度まで実施予定のものでした。期限を過ぎた今年度も実施している自治体がほとんどのようですが、中には上限額を変更している自治体もあるので最新の情報をしっかり把握しておいたほうが良いでしょう。

 

来年度以降も支援事業が実施されるかどうかは“未定”となっています。国の決定次第では上限額の変更や、支援事業自体が終了となる可能性もあります。

 

とはいえ、実施している間は使っておいて損はないのではないでしょうか。

 

 

住居に関する支援の他にも独自で保育士への支援制度を設けている自治体もあります。

 

大田区(東京都)
保育士応援手当:区内保育所常勤6ヶ月以上の保育士に半期ごとに60,000円が支給。

 

さいたま市(埼玉県)
処遇改善補助金:10,500円/月・67,500円/年(ボーナスのタイミング)トータルで年間193,500円が支給されています。
※全ての園で実施されているわけではないので要確認



一例ではありますが、これらの制度は保育士の定住を目的としています。

 

給与面を重視する場合は住居支援とあわせて、これらの手当も参考に園を探すことも一つです。

 

 

「保育士は給料が高くない」という印象もありますが、充実した制度や手当を使うことで手取りの金額が変わる場合もあります。

 

必要な情報をしっかり持ち、新たな職場で活き活きと保育ができることをイメージしながら転職活動に臨みたいですね。

 

 

このゆび保育では保育業界の借り上げ社宅制度を専門とした相談対応を行っています。これまでにはこんな相談がありました。

 

  • 借り上げ社宅制度が利用できる法人を探してほしい
  • 社会保険が異様に高くて、借り上げ社宅制度の影響があるかどうか調べてほしい
  • 転職するために借り上げ社宅を解約したいけれど法人側から拒否されていて困っている
  • 休職中に、突如借り上げ社宅制度を解約されてしまい、どうすればいいか分からない
  • シングルマザー(ファザー)でも借り上げ社宅制度を利用させてくれる法人を探してほしい
    などなどです。

 

借り上げ社宅制度は「家賃のお金がもらえる制度だ!」という認識だけが広がってますが、実は裏側には複雑な制度運用があります。転職活動で内定をもらったあとに、借り上げ社宅制度が使えないことを知り、泣く泣く内定を辞退したという話も少なくありません。

 

「借り上げ社宅制度について、何を確認したらいいか、そもそもわからない」という方も多いですので、後からトラブルになる前に、ぜひこのゆび保育へご相談下さい。


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保育記事作成:このゆび保育 編集委員