自分を大切にする人になる
今回のほいくLetterは「自分を大切にする人になる」です。
私は、日々多くの保育士から話を聞いています。その中で、心と身体の体調(バランス)を崩してしまった話を聞くことも少なくありません。
そのような方に、少しでも届けばと思い書きます。
間違った考え「体調を崩す=心が弱い」
まず前提として伝えたいのは、「体調崩す=心が弱い」ではないということです。
私からみて保育士さんたちは、むしろ保育や仕事にものすごく一生懸命であり、日々学び続けている人が多い印象があります。成長意欲もあるし、子ども達に貢献しようという気持ちも強いように感じます。
では、なぜそのような方が、ある日突然、体調を崩してしまうのでしょうか。
誤解を恐れずにシンプルに言うと「自分自身を大切にしていなかった」からだと思います。
自分自身を大切にすること。自分自身には2つの意味がある
みなさんは、「自分自身」という言葉からどんなイメージを浮かべますか?
私は、2つの意味があると思っています。
1つは「自分の身体そのもの」であり、“健康第一だよ!” “身体が資本だからね!”と言われるものです。どんなにすごい人も、全く食べずに寝ずには1週間も生きることはできません。裏を返せば、しっかり食べて、寝ていれば、身体を壊すことはあまりありません。
もう1つが、とても大事であると思っています。
それは「自分が大事だと思う考え」です。「考え」とは、気持ち・感情・価値観・信条など、様々に言い換えられるものです。
みなさんは、日々の保育の中で「こういう保育がしたい!」「これをやると、〇〇さんは喜ぶかも知れない!」とワクワクする気持ちを持ったことが、あると思います。もしかすると、ワクワクして夜も眠れない日もあるかもしれません。
そのワクワクした気持ちを持って、園長に提案したとします。
もし園長が、「なに言ってるのよ。そんなのやめてちょうだい」と言ったらどう思いますか?
とても残念で、寂しくなってしまい、いろんなことが嫌になると思います。
また一方で、園長が「面白そうね!もう少し話を聞かせて」と言ったら、どうですか?
ワクワクした気持ちは、さらに高まって、心も身体も元気が湧いてくる気がすると思います。
このように人がストレスを感じるのは、「自分の大事にしている考えが、傷つけられたとき」なのです。

しかし、世の中には様々な人がいる。どう向き合うかが大事
ここまで読んで下さっている方は、きっとこう思うはずです。
「わかるけれど、みんなが優しくていい人ばかりじゃないよ…」
私もそう思います。職場にはいろんな人がいて、あなたを認めてくれない人や、まったく考えの違う人もいます。
中には、「〇〇さんが変わってくれれば…」と思うこともあるかもしれませんが、他人を変えることは、ものすごく大変で難しいことです。
人の人格は、それは1つの大切なものであり、誰かが変えようとするものではないと思います。同じように、あなた自身が無理に「ポジティブ思考になろう!」というのも違います。自分の性格を変えようとするのは、いまの自分を否定することになるので、自分を大事にしていないことになるのです。
しかし、変えられることが1つだけあります。
それは、あなた自身がそういう人にどう対応するかです。つまり、日々の小さな行動を変えていくということです。
納得できるまで、相手と向き合うこと
もし、あなたが誰かに傷つけられたとき、自分自身を責めたり、我慢をすることはよくありません。
例えば、こんな心の声が聞こえてくるときは、少し自分を大事にしてみましょう。
「あの人の言う通り、私がおかしいんだ。間違っているんだ。」
「自分は意見を言っていけないんだ。」
「もう何を言っても無駄だから、我慢しよう。」
では、自分を大事にするって、どういうことだと思いますか?
自分を大事しているかどうかは「納得感を持てているか」だと考えています。
誰かに否定されたり、自分が傷ついた感じたときに、納得するまで相手と向き合えているかです。
方法はいろいろあります。
・自分の意見がどのように理解されているか確認する
・なぜ、相手がそのようなことを言うのか聞いてみる
・傷ついたことをしっかり相手に伝える
等などです。
このような行動をすることで、あなたの心は「私自身は、私に大切にされている」と感じます。
この行動の目的は、相手を理解して大好きになることではありません。また、相手を説き伏せ、攻撃することでもありません。相手を攻撃すれば、ほんの一瞬気持ちがよいだけです。
人と人は相性があるので、合わない人もいます。なので、どうしても会話が難しい相手の場合は、第三者を交えて会話をするようにしましょう。また、つい感情的になってしまう場合は、伝えたいことを紙に書いたり、事前に誰かに相談することも大切です。
改めて、大事なので何度も言いますが、相手の人格を否定したり、変えようとするために行うのではありません。あなた自身が、しっかり納得感を持って、自分を大切に日々を生きるためにすることです。
相手と向き合ったとしても、状況は変わらないこともあります。
やりたいことが何でもできるわけではなく、無理なことや時間のかかることもあります。もしかするとまた明日にはその相手から何か言われるかもしれません。
そうだとしても、行動を取り続けることは大切です。諦めたり、我慢をすれば自分自身を大事にしていないことになってしまいます。
自分の中にいる愛らしい自分をイメージする

最後に、1つ思い浮かべてほしいイメージがあります。
あなたの心の中に、もう1人の自分がいるイメージをしてみてください。
その自分は、とても純粋な思いを持っていて、無邪気な笑顔でいる自分です。
まさに、普段保育をしている子ども達のような自分です。
目の前にそんな愛らしい子どもがいたら、みんなとても大切にしますよね。
それと同じにように、自分自身も大切にするイメージをしてみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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