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【取材】コロナ下で、保育者ができること。アフターコロナでやっていくこと 〜オンライン保育イベント「ほいたん」参加レポート〜

コロナ下で、保育者ができること。アフターコロナでやっていくこと。

保育者・保育園関係者の皆さま、こんにちは!
保育をより元気にするKono Yubi(このゆび)代表のつねです。


当サイトでは『保育士ならびに保育業界を応援すること』 と 『様々な活動に取り組んでいる保育士たちを応援する』という方向で、様々な情報発信をしていきます。


今回は記念すべき最初のKono Yubiコラム第一弾として。保育者のオンライン対話イベント「ほいたん」(録画をYoutubeから視聴できます) の取材レポートです。

 

今回のコラムで伝えたいこと

✔“ほいたん”は、こんな状況でも保育者が保育を語り・学び・探求できる場  


✔コロナの中、改めて保育のあり方や、人間らしさを考えた


✔保育者が今できることは、自分の保育や、自分自身そのものを振返ること

新型コロナは保育業界にも大きな影響を与えており、都市部を中心に「登園自粛」「原則休園」となりました。その結果、現場の保育士さんたちは本当に必要な子どもたちの預かりを続けながら、在宅勤務等に移行したりしています。そんな中で「今、この状況だからこそ現場の保育士は何が出来るのか」を目的に、オンラインで保育士が集い、様々な発信が多く見られるようになりました。

そんな時に、今回“4つの保育士の有志グループ”が合同で1つのオンラインイベントを開催しました。

4つの保育団体はいずれも、普段は直接会って語り合うことを大事にしていましたが、今、この状況だからこそ「保育の質や専門性を高め、子ども達・社会により良い循環を生み出していきたい」という想いから多くの保育士さん、保育学生さんにも見てもらいたいという目的も兼ねる形でオンライン形式の合同イベントが開催されました。 今回はその一部を抜粋してご紹介いたします。

今回のテーマ

保育者が今できる学びと、アフターコロナでやりたい保育

序盤は、「最近読んでいる本」や「この騒動中に行っていること」をもとに、それぞれが思い描く保育のあり方について様々な考えを発信していきました。

ゲストの方々が読んでる本

aurora journey 久保田 修平さん
この状況下で、オンラインや動画などのテクノロジー使った保育が今後増えていくだろうと予測。テクノロジーは便利な一方で、やはり人と人が触れ合うことや、自然の中で過ごすことの大事さを、保育の中でも考えていきたい。

パレッタブル 高泉 潤さん
普段の保育が難しくなっているいまだからこそ改めて子どもの視点にたった保育を考えたいとの想いで「徹底して子どもの側に立つ保育」 という書籍を読んで、今後の保育に役立てたいと考えている。

保育語りBAR 神谷 潤さん
昔は、保育者のような教育に携わる人は、絶対的な存在でしたが、今は、誰でも先生になることが出来る。また保育や教育の情報は、誰でも高い質のものが得られるようになっている。

その中で保育者の役割とは「どんな子どもを育てていきたいか」「どんな人間を育てていきたいか」ということが改めて大切なことなのではないか。

保育ドリプラ 菊池 奈津美さん
この4名の会話の中で現場の保育士らしい役割を自然と担当。主に『聞き役』『廻し役』としてこの3名の発信を引き出す。「保育のあるあるなお悩みを一気に解決!0・1・2歳児担任のためのお仕事Q&A」という自身の書籍をこの4月に出版。その中で、自分の保育に対する考えを書籍という形で表現。

後半30分は“改めて保育士が今できることはなんだろうか”という話題に移りました。

保育語りBAR 神谷 潤さん
「実践をして振り返り続けることがやはり大事」と話されていました。

日々の仕事を振返ることは保育士だけに限った話ではありません。プロスポーツ選手や、はたまたサービスを売る営業も、振返りは大事。今より少し良くしようと、何かを試してみる。そして、振返ってみたり、知識を深めてみたりして、また試してみるという繰り返しが重要。

保育ドリプラ 菊池 奈津美さん
「振り返ること。知識を得ることはとても大事」「保育現場では、つい感情や感性が重視されがちだけど、知識とのバランスもとっていきたい」という想いを展開。

aurora journey 久保田 修平さん
「そのためにも、自分自身のゆとりが大事」「特にゆとりがないときの自分に気づくことをまずしてみてほしい」と。自分にゆとりがないときって、何をできていないですか?

例えば・・・“好きなカフェに行けていない”“しばらく映画や読書ができていない”などなど、あると思います。ゆとりがないときの自分がわかれば、ゆとりを取り戻すこともできるはず。

パレッタブル 高泉 潤さん
「保育士ももっと自分をさらけ出して、自分らしく生きていくのが大事」と。保育士の間では、いろんな"ダメ” "こうあるべき”があり、もしかすると子ども達の前で自分ではなく、先生として振る舞わなくてはいけないことに、窮屈さを感じてる人もいるかもしれない。
その一方で、「その人らしさ」がみえると、子どもや保護者ともより良い関係性が築いていけるとも語られています。ルールを守ることも大事にしつつ、自分らしさを出していくこともいいかもしれません。

一部抜粋になりましたが、4名の保育士がそれぞれの想いをオンライン上にぶつけ合いながら、その様子を多くの保育士、保育学生さんがコメント等を寄せながら見ていました。

今回のオンライン保育イベントを振り返って

 保育士の多くは、コロナがあってもなくても、日々とても大変な中で仕事をされていると思います。私たちは完璧な人間ではないので、ふと自分自身を忘れてしまったり、目の前の子どもが二の次になることも、もちろんあると思います。そんなときは、自分らしいことをしてみたり、「ほいたん」のような改めて保育を見つめなおしたり、語れる場に参加してみたりしてもよいかもしれません。(オンラインイベントの場合は閲覧するだけも可能)

 

保育に関わる人たちが、より元気になれるよう、私もできることをやってみようと、温かい気持ちになる時間でした。

 

次回のほいたんは【5月16日(土) 11:00-12:30】です。

 

Kono Yubi(このゆび)では引き続き、様々な活動を展開している保育士さんたちを取材ならびに応援していきます。

オンライン保育イベントほいたんのゲストプロフィール

保育士・共育者 久保田修平
久保田修平

保育士・共育者
私立保育園に7年間勤務後、夫婦で600日間25カ国の世界一周に出かける。「世界の子育て保育を知る旅」を掲げ、保育教育施設の視察・海外在住日本人保護者へのインタビューを実施。帰国後、保育現場に戻ると同時に、団体「aurora journey -保育の世界を旅してみよう-」発足

「保育者の専門性が高まることで、社会がより良くなる」を理念に講演会・研究会を精力的に行なっている。待望の書籍「世界の子育て、保育を知る旅」が近日発売された。今年で保育者10年目。

 
[えどぴ]
600日間25か国の旅を終え、2018年4月から研究会を発足。「保育者の専門性を高めることが、社会をより良くする」を理念に、自己保育方法論の確立を目指す。

・education(保育・教育・共育)
・edo(江戸・循環型社会)
・peaks(頂・連峰)

それはまるで登山者が山頂を目指し、一歩一歩進むかのように。そして専門性の高い保育者の山々が連なり、連峰として繋がり合い、社会を豊かにしていく。

保育士 神谷潤
神谷 潤

東京都内の民間保育園に勤務。都内専門学校で非常勤講師を務める。白梅学園大学大学院修士課程修了。「保育語りbar」「表現カフェ」「多摩保育研究会」の幹事として、保育者の学びと交流を支援、また「東京読書会HONTOMOグループ」の代表を務め、本を通し人と人

が繋がる場づくりをしている。

[保育語りbar]

保育者のための語り場。子どもに関わる大人たちが、互いの立場や年齢や職の垣根を越えて語り合い、みんなで学び交流する。園見学や事例報告、不登校にジェンダーなど、子どもに関わる様々なテーマを設定し、参加者重視の対話ベースのイベントを展開している。

保育士 高泉 潤
高泉 潤

東京都内の民間保育園勤務、保育士4年目。岩手大学工学部中退。白梅学園短期大学保育科卒業。保育士3年目に保育で繋がるコミニティ「パレッタブル」を発足し、若手保育者や学生を対象に、仲間づくりと自己充実を支援するイベント活動を行っている。さんこうほれん(旧三多摩公立保育所連絡会)運営委員白梅学園大学・短期大学同窓会東京支部所属。

[パレッタブル(Palettable)]
2019年2月に発足。若手保育者や保育・教育学生を対象に、仲間づくりとプライベートでの自己充実というコンセプトのもと、ごはん会や旅企画など“楽しさ”重視のイベントを開催している。写真部・映画部などの部活動イベント、学生団体への活動支援や他団体・行政と協同した旅型フィールド・ワークなどを行う。

保育士 菊池 奈津美
菊池 奈津美

【菊地 奈津美】
公立保育園で7年間勤務後、認証保育園主任を経て、現在こどもの王国保育園西池袋園園長兼統括園長を務める。保育者が夢を語る場「保育ドリプラ」の開催や、YouTube・公式LINEアカウントでの保育情報配信を行っている。また保育雑誌「保育とカリキュラム」カリキュラム編集委員や洗足こども短期大学にて非常勤講師を務めるなど、子どもの育ちを大切にできる日本にすることをビジョン掲げ日々尽力している。2020年4月に初の書籍を出版(保育のあるあるなお悩みを一気に解決!0・1・2歳児担任のためのお仕事Q&A


[保育ドリプラ]
保育者が夢を語るプレゼン大会。ドリームプラン・プレゼンテーションの保育業界版として開催している。「子どもの育ちって大切」と思える人を1人でも増やしたいという想いで、2014年2月に実行委員を発足。2015年から年に一度、約300名の観客を集めてプレゼン大会を行い、夢を持つ保育者の夢の実現を応援している。

取材協力:久保田修平さん
保育記事作成:このゆび保育 イベント取材委員